今月の一宮介護村の研修会のテーマは、「倫理・法令遵守」でした。テーマだけを聞くととても硬い内容ですので、敬遠しがちなものかもしれませんが、今回の研修では、「介護現場における倫理とは?」とじっくり考えさせられる内容でした。
それは、今を生きる介護職であれば、「当たり前」=「常識」とされることです。
例題 「転倒を3度繰り返していたAさん、ベッドで休むことは転倒の危険性があるため、床にマット、布団を敷いて対応することにした」

そのディベートで、「〇」、「×」について賛同する意見を聞いていきます。
正しい答えというものはありませんが、今回のテーマ「倫理」に沿って意見を集約していくと、「元々Aさんは、転倒はするほど足腰が弱っているかもしれないが、元々は歩いていた方。夜には自分で起きてトイレに行きたいかもしれない。床に布団にすることで転倒リスクは減るとしても、それはAさんの行動を制限することになる。それは身体拘束に該当するのではないか?」

「Aさんは元々、どんな生活をしていたのか?それによって捉え方は異なる。Aさんはずっと畳の上で就寝していた方かも知れない。それをこちらの都合で、介助がしやすいからということでベッド対応にしていたのであれば、そもそもそれが間違い。ベッドが落ち着かないからベッドから降りて、それで転倒してきた。床にマットで寝るということになればそれは本来のAさんのスタイルであり、Aさんを尊重していることになる」