ニッケあすも市川 「私たちが目指す看取りケアとは」

あすも市川では、ご本人とご家族がご希望される場合にはお話合いのうえで看取りケアもお受けしたいと考えています。
そのためには必要なことがあることをお伝えしておきたいと思います。

そのひとつとして、人の死を話題にするのがまだまだタブーな風潮がありますが…でも私はきちんと話をすることが、充実した人生を送るためには大切なことだと思っています。
そう思うようになったのは看取りケアで沢山大切なことを教わったからです。
ピンピンコロリとあの世に行けたら幸せだと多くの人は言います。私もそのひとりです。
でもそうなると、病気や障害で色んな人の手を借りながらあの世に行くことは良いとはされない。それは、人に迷惑が掛かる、自己選択出来ないという理由があると考えます。

まず、自己選択に関しては解決の糸口がありますよね。
元気なうちに希望を伝えておくこと。つまり自分の死について大切な人ときちんと話をしておくことです。
意思疎通が出来ない状態でベッドに横たわっている自分に家族が「どうして欲しいと思っているんだろ」と悲しげに言葉を掛けられるか、「〇〇して欲しいって元気な頃から言ってたから、きっと満足してるよね」と言葉を掛けられるか。
どちらが自分にとっても、家族にとっても幸せなのか。

人は「貢献感」を感じた時が一番幸せと感じる、生きていて良かったと感じると言われています。ベッドに横たわっている親に、せめて親が希望していたことを子供としてきちんと果たしているという感覚は「貢献感」に似た感覚なのだと、看取りケアに携わるなかで強く感じました。
このような形で親を看取った後のご家族はどこか充実感に満ちておられました。そんなご家族の後ろ姿をお見送りしながら、親の死は最終の子育ての場なのかもしれないなと強く感じました。
また、それが施設であれば、スタッフもご家族と同じ感覚をお裾分けしていただけます。
最期の時間を共有させていただくことによって、確実に人は成長します。これは自信を持って言えますし、だからこそ私自身この仕事から離れられません。
看取りという、どちらかと言うとマイナスイメージな時間も、そんな素敵で大切な時間になれば「迷惑」なんて言葉は消えてなくなります。

色々なご家族の形があります。ご家族にはそれぞれの歴史があります。
私達はそれを理解しながら、ご家族間のなかに素敵で大切な時間がたくさん生まれる、そのためのお手伝いができるように努力して行きたいと思いますし、そんな大切な時間を預けていただける施設になっていきたいと思います。

ニッケあすも市川開発準備室   西

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