特別対談 三浦 研 京都大学大学院教授

地域ケアの可能性
山﨑 もう一つ、先生がだいぶ前に何か研究発表されていたのを聞きに行かせてもらったことがあったんですけど、ケアプランを自動的に作れる仕組みと、それを訪問介護のシフトに落とし込んでいくという仕組みについて研究発表されていましたよね。
三浦 訪問ヘルプのシフトを実際エリアでどう展開しているのかって言うのを可視化して、実はその無駄な時間というか隙間時間をもう少し工夫することで合理的な見守りとかですね、プラスアルファのことを出来るんじゃないかと言う話は、前に。
山﨑 何か効果は出ましたか?
三浦 残念ながら。結局、高齢者住宅の中は集中してるメリットを生かすために無駄な時間を生じない様な工夫を合理的にやっていますよね。エリアにも展開させる発想がエリアマネジメントという観点で出てくると思うのですが、今はまだなかなかそこまで受け入れられないですよね。
山﨑 乱暴な表現ですけども、その道路は廊下でお家は部屋ですよみたいに、ある一つの地域が一つのユニットですよという考え方で地域ケアっていうのは成り立つんじゃないかと。エリアマネジメントっていう論理は絶対に必要不可欠だという風に私も思っています。
加古川の一帯などはもう高齢者が非常に多くて「てとて」(グループホーム)など手掛けて頂きましたが、あそこで収容出来なければ逆に出て行ってケアをさせて頂くっていうのが絶対に必要になってきます。先生の研究なさっていたエリアマネジメントは使わせてもらわないといけないと思いました。
三浦
「てとて加古川」ニッケ加古川介護村のグループホーム

 「てとて加古川」
 ニッケ加古川介護村のグループホーム

確かに。24時間、定期随時(訪問介護・看護)を入れて、それと集合住宅を組み合わせていくとか、特にあそこはエリアとして一体感があるので、上手く民間のサービスか何かを活用出来たりするとユニークなところが出来ますよね。
山﨑 そうなんですよね。お一人住まい多い所なんで、住み替えは嫌だと仰るんでしょうけど「まぁ横に越すだけやん」みたいな。病院も救急病院も近くにあって、なんて良いところなんだって思いますよ。
三浦 やっぱり、住宅に住めると自分のまだまだ頑張らなきゃいけないっていう生きる力を呼び起こせますよね。ご本人の主体性も重視しやすくなります。
良く言うんですけど、高齢者住宅でご利用者の飲む牛乳の日付が1日切れてた時に職員が取り上げるのかって言う議論があって、普通にだったらもう飲んじゃいますよね、1日過ぎたくらいじゃ大丈夫みたいなね。
だけど施設の枠組みが強くなればなるほどそこはどうしても良いよって言いにくいジレンマがあって、そこは運営する側として辛い所ですが、もしサービスと住まいを切り離す様な形が取れると自由度が出てくるかもしれないですね。
もし、加古川で全部は無理でしょうけど、一部をそういう住宅、一部を若い人向けとかに合わせていく。
エリアとしてそんなに大きな投資をしなくても地域の人に喜んで頂きながら残ると50年後に流石ニッケさん、という話に繋がると思います。
山﨑 ありがたいことに加古川はようやく介護村って言ったら大仰ですけど、ヴィレッジの様な形になったので、じゃあ次どうするんだって多分世の中の方々は仰るでしょうから、そういうプロジェクトを何か組めればいいなと思ってますね。
三浦 今どうしてもまだ箱って言う時代に留まっていると思うのです。それをどうエリアに広げていくのかっていうことが今問われているので、恐らくそれは国にしても県にしても大喜びというか、それはモデル的だよねっていう事になると思います。
後、サ高住(サービス付き高齢者住宅)の話になるとどうしても高齢の方だけに目が行きがちにななりますが、実はサ高住って住居単位に指定が出来る仕組みですので、1棟丸ごとじゃなくていいんですよ。点在型でもいいんです。だから障害の方や1人親世帯などの少し生活支援があった方がいいような方も入って頂けるので、実は高齢の方にも張り合いになるし、若い1人親世帯のご家庭が入られたとしてもお年寄りと仲良くなったらちょっとした見守りなんかもやって下さるっていう形も出来ると思います。
何よりもやっぱり同じ方が集まると均質になってしまって、看る・看られるっていう関係性とか管理って言う発想が出てきてしまいます。
これからどんどん高齢者が増えて今生産年齢人口が減ってますよね。高齢者は増えていますが実はそのお年寄りの増加以上に大きく減少している若い方々。その中でハウスメーカーさん達にしても建設関連にしてもマーケットが縮小している辛い所ですが、その中で伸びてるのが実は1人親世帯なんです。
実はお仕事してて急な残業があるとか特に男性の1人親なんかだったらご飯どうしようとかってところもあって。そのために今までの仕事が出来ないっていう社会的なチャンスを失う事になります。
例えば、サ高住の食堂が本当に地域に開かれていれば、いざとなればお子さんも使ってもらえるだとか、将来型の完全な1人暮らしは出来ないんだけどグループホームの様な密度感の強い住まい方よりは独立性のある暮らしをしたいっていう方も使えるような。
山﨑 先生、そういう視察とか行かれたことありますか?
三浦 あります。具体的には今、神戸で垂水の辺りでそういうことをやろうとしておられる、むしろサ高住の枠組みを障がい者支援の側で就労支援と一体となって使おうという方々がいらっしゃいます。
山﨑 色んなケースがあるんですね。
私、テレビか何かで見たと思うんですけど、シングルマザーだけのレジデンスみたいなシェアハウスありますよね。ありえるのかなと思って。
三浦 はい。やっぱりそれは、支え合えるみたいですね。
ちょっと独り身になって辛い気持もあるんですけど、それを先輩のシングルマザーの人に話せて聞いてもらえるというところと、もう一つはそれぞれお子さんがいらっしゃったりしたら兄弟じゃないですけどそれで上手く仲良くなって遊んでくれるので、逆にお母さんも大人同士の時間が持てる。
1人親で子供とずっと向き合ってると違う空気を吸えなくなる。特にお話を伺ってなるほどって思ったのは、シングルマザーのシェアハウスを社福(社会福祉法人)さんの社宅にしてもらったって言うんです。
何故かって言うと、1人親は家と仕事が両方同時に解決しないと次のステップに進めないというのがあって、仕事だけできても家が確保出来ないとか、確保できても収入のあてがないとそこに住めないって言うのがあるのでその解決策として一部を社宅にしたそうなんです。
社福さんにしてみても、若い人にどんどん来てもらいたい、今人手が足りない時期なので上手く受け入れて自分の所で働いてもらったら嬉しいっていう両方の関係性が出来るんですね。
山﨑 介護業界って多いですよね、シングルマザー。多いんですよ。
だからと言う事ではないんですけど、グループホームとかシェアハウスという流れから行くと女性特化というのはありなのかなとか、今後多様化で色んな方々が一つの所に住まうっていうことはありだと思うし、その提案のあり方っていうのは楽しいですね。。

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